2023-10-14『Twingowind presents clubEDEN』@下北沢THREE

昨年のライブ鑑賞の続き。9月22日に四ッ谷Doppoでhenrytennisのライブを観ることができて、次に目指したものは下北沢のハコ、THREEでした。

下北沢はライブハウスもたくさんあり、これまでも気になるバンドが参加しているイベントのお知らせをいくども眼にしてはいたものの、車移動がメインの自分にとっては、なかなか足を運ぶのにはハードルの高い場所でもあります。今回の下北沢THREEのイベントは土曜日の昼からだったので、だったら環八の渋滞もそこまでひどくはないのではないかと踏んで、足を運んでみることにした次第です。

ライブレポートを始める前に、まずTwingowindとはどのようなグループなのかという点に言及する必要があるかもしれません。2024年の今は、東条ジョナのソロプロジェクトとなっているのですが、このイベントが開催された2023年の10月の時点では、川﨑レオンと東条ジョナふたりがメンバーで、川﨑レオンがKey.とVo.、東条ジョナがVo.を担当。

東条ジョナはアーティストというよりは、コスプレイヤーとしての認知度の方が高いかもしれない。今回のイベントで実際の彼女を眼にしたわけですが、たしかにちょっと吃驚するくらい可愛かった(爆)。ただ演奏が始まる前、物販にひとりぽつんと座っていて、何となく暗い、物憂げな顔をしてたのが妙に気になってはいたのだけれど……(その理由はついてはこの日のイベントが終わった11月に知ることになる)。

さて、自分がTwingowindを知ることになったのは、東条ジョナがきっかけではなく、もうひとりのメンバーである川﨑レオンを介してでした。川﨑レオンといえばプログレ、マスロック界隈では知る人も多い超絶技巧のアーティストで、この日のイベントは、1番手が彼女のソロ(with Dr.)、2番手がメレ、そしてトリがTwingowind。

川﨑レオンのソロと、彼女もメンバーであるTwingowindのパフォーマンスが観られるという、自分的にはかなり満足度の高いイベントだったわけですが、最初の川﨑レオンの演奏からして凄かった。

ちょっと、こう、何というか……彼女の歌も鬼気迫るほどの勢いがあり、息の合ったDr.との相乗効果も相まって、masunoismの演奏が眼前で展開されているようなダイナミズムでした。

どんな感じかというと、こんな感じ。名曲「Bloopers」の動画をリンクしておきます。

彼女は、以前にソロでの演奏を吉祥寺NEPOで観たきりでしたが、苦難のコロナ禍を経験して(当時のもどかしさをnoteに切々と綴っていた)か、歌にますます磨きがかかったような気がしました。その鬼っぷりはPeter Hammillを彷彿とさせるkey.と歌いっぷりでした。

続くメレは、Gt.とBa.の、これまた二人組のグループで、この日はDr.とBa.を交えてのバンド編成。

フライヤーをぱっと見た印象では、可愛らしいフォークソングを演奏するガールズバンドのひとつかと思っていたのですが、始まるや意外に激しい演奏で、ガールズバンドらしい歌声とのギャップに新鮮なおどろきがありました。

で、3番手トリがTwingowind。このグループはそれなりに長く続くものと「このとき」は思っていたので、こうしてあらためて写真を見返すと感慨深いものがあります。

このイベントに足を運ぶ前に、TwingowindのEPは一通り聴いていたものの、実際に耳にした東条ジョナの歌声の素晴らしさには感嘆しました。ヴィブラートをかけない伸び伸びとした歌声と見かけの可愛さとのギャップは、彼女の大きな魅力のひとつで、この堂々とした歌声に、川﨑レオンのコーラスがすっと加わる。音源以上の見事なパフォーマンスでした――しかし、11月に突然、SNSで川﨑レオン脱退が報じられ、この日のライブを最後にTwingowindは二人での活動を停止してしまいます(この日、東条ジョナが物販でひとりぽつねんと座っていて、誰とも話をしていなかった理由はこれだったか、と)。

SNSでの二人のコメントを見るに、色々とあったようで、バンドの内情に興味のない自分としてはただただ残念ではあるものの、東条ジョナのソロプロジェクトとなった後も活動を続けていったほしいとは思う。

曲そのものは、まさに川﨑レオンの歌声をメインにしてもまったく違和感のない仕上がりで、それを東条ジョナが歌うことのキャッチーさこそが、Twingowindの魅力だったのではないか、――いま、あらためて二人が残した曲を聴き返すつけ、そんなことを考えてしまった次第です。

SNSを見る限り、東条ジョナは歌い続ける気マンマンだし、彼女の今後の活躍を期待したいと思います。ただ彼女はコスプレイヤーでそちら界隈の方の人気は相当と見え、Twingowindが彼女のソロプロジェクトとして復活するにしてもアイドル枠で行われることは間違いなく、自分がこうしてイベントに足を運ぶどうかは定かではないのだけれど……

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