2023-09-15『NEPOctober fest EVE!!』@NEPO

年が変わってブログを再開したので、去年に足を運んだライブのレポートを備忘録として残しておこうと思います(コロナ禍が一段落して、ライブハウスがどう変わっていったのかについて気になっているひとが、もしかしたらいるやもしれないので)。

コロナ禍のさなか、自分がライブハウスのイベントに行ったのは、2020年10月29日の『Hina Ohta “I noticed” release party』が最後で、このあと2023年9月15日の『NEPOctober fest EVE!!』までライブハウスに行くのを控えていました。20年10月といえば4月に発令された緊急事態宣言が5月に解除されてから数ヶ月経ち、「Go To トラベル」なども始まったこともあって、社会にはつかの間ながらようやく活気が戻ってきたような気がする……そんな時期でした。

NEPOは吉祥寺(住所としては三鷹)のライブハウスで、コロナ禍前から、面白そうなイベントがあるとちょくちょく足を運んでいたハコ。イベントによって違いはあれど、基本は立ち見という感じでしたが、20年10月のイベントでは、”ソーシャルディスタンス”を意識したのか、椅子を配置して”密”にならないような配慮も。下の写真参照。

23年に入って5月には新型コロナが5類となり、世の中に蔓延していた空気も変わってきたかと思いきや、……世間ではまだまだ医療従事者たちが徹底した感染対策を行うよう国民に呼びかけてい、ライブハウスにも開放的な雰囲気は感じられなかった、というのが自分の印象。

さらにネットでは、音楽業界を代表する人物が感染対策の徹底を声高に叫んでいたため、「ライブハウスは、病院や介護施設と同様の厳しい感染対策をいまだ行っている、近寄りがたい場所」という先入観が当時の自分にはあって、まだまだ様子見という感じだったわけです。

SNSなどで実際にライブハウスに行ったひとの話を見ても、イベントによって違いがあり、不織布マスクの義務化や入場時の手指消毒の徹底を行っているところもあれば、そうしたものはない、とする声もあってバラッバラ。だったら実際に自分の眼で確かめてみるしかあるまい、ということで意を決して9月に表題のイベントに参加してみようと考えた次第です。ファンである太田ひなさんが出る、というのがもちろん一番の理由ではあったのだけれど。

2023年の時点ですでに、太田ひなさんはこのtrioの構成で数回、NEPOのステージにあがっていたものの、自分は上に書いた理由で見逃してしまいました。

ともあれ、前置きが長くなりましたが、そんな理由から見に行ったNEPOは、2020年9月のときは一変しており、基本は立ち見、というスタンスに戻っていました。もっとも横に椅子が重ねてまとめてあったので、自分はその椅子に座って見たのだけれど、”ソーシャルディスタンス”や声出し禁止などという規制はマッタクなし。さらにいえば、入場時の手指消毒や検温、さらには不織布マスクの着用義務もなく、このあたりは、ちょっと拍子抜けするほどあっさりとしていました。

ただこのイベント、機材トラブルで開始が1時間ほど遅れたので、自分は最後まで観ることができず、太田ひなさんの出番が終わってから退場してしまったのが少しばかり心残りではあります。

とはいえ、1番手のkillerbonze×JIMはノッケからフルスロットルで熱気溢れる演奏を魅せてくれ、MCもなし、メドレーかッ!というくらいぶっ通しの熱演で圧倒されました。そうそう、この雰囲気だよなあ、ライブハウスはこうでなくちゃァ、……というコロナ禍前には当たり前だった感動を噛みしめていると、2番手のbirds melt skyの演奏にはこれまた完全にノックダウン。

転換中、ステージの前の方にディジュリドゥがデン、と置かれてい、いったいどんな音なノ? 訝っていると、オープニングの曲でこの楽器を使っていて度肝を抜かれました。このあと、彼らのアルバム『COLORFUL』、『deep』、最近のシングルとなる『LIGHT / Al-Ula』、『MOON.ep』、『HOME / primitive』など、デジタルで手に入れられるものはすべてゲットした次第。

とにかく彼らの曲は耳に残り、ライブハウスをあとにして車を運転しながらも、ずっと彼らの音が頭で鳴っていたくらい。とくに「Back to the Moon」は、タケモトピアノや出前館のCMの曲くらいの中毒性アリで、ちょっと油断していると、これが頭のなかでリフレインしてしまう。

メロディが佳いのはもちろん、完全に自分好みというか……もっとこのあと12月にふたたびNEPOで彼らのパフォーマンスを観たあと、シンゴマエダ氏から話を聞いて理由が判ったのだけど、それについてまた今度。

で、3番手の太田ひなtrio。彼女のパフォーマンスはコロナ禍前からQuartetの構成で観ていました。大胆にマニピュレーターを導入したtrioの演奏を聴くのはこの日が初めて。

Cocteau Twinsをも彷彿とさせる美しい歌声を重ねた新曲「Be Your Light」聴けて満足、……ではあったものの、機材トラブルの影響か、実を言うとこの日の音はあまりよくなかったような気がする。

ともあれ、こんな感じで2023年の後半はライブ鑑賞を再開しました。有名アーティストや地下アイドル系は判らないものの(ライブハウスでの開催でも一部の地下アイドルはいまだ不織布マスク必須という声も耳にしたので)、一般的なライブハウスであれば臆することなく、コロナ禍前と同様、気軽に足を運んでも没問題ではないでしょうか。さすがにもういないとは思いますが、まだ現在のライブハウスの状況がハッキリしない、と躊躇している方も参考になれば。