2016 TAIWANDERFUL Music✕Culture Event@恵比寿リキッドルーム LIQUIDROOM

先週の金曜日に恵比寿リキッドルームで開催された「2016 TAIWANDERFUL Music✕Culture Event」のライブを観に行ってきたので、簡単ながら感想をまとめておきたいと思います。昨年はリーマン仕事も休みだったため、会場の二階で開催されている文化の部もざっと眺めることができたのですが、今年は休みが取れずマトモに参加できたのはライブだけ。開演三十分前にどうにか会場入りを果たし、今回はステージ前方の真ん中あたりをおさえることができました。

今回のライブの出演バンドは、大象體操 Elephant Gym、HUSH、滅火器 Fire EX.。もちろん自分のお目当てはマス・ロックを標榜し、すでに日本でもメジャーデビューを果たしている大象體操で、心配だったのは彼らがステージに上がる順番で、終演間際ともなれば足腰に相当キているであろうことは昨年のライブで経験済み。特に今年はあまり体調がよろしくないため、場合にはよっては、……と危惧していたのですが、彼らは一番手に登場してくれ、ほっと胸をなで下ろした次第です。

世間ではマス・ロックの先鋭として知られている彼らですが、プログレのロートルマニアとしては、やはり「台湾のGentle Giant」と呼びたいところ(爆)。例えば『角度』に収録されている「燈」の冒頭で聴かれるエレピ音や伸びやかなギターなど、その音は洗練されたモダンでありながら、ロートルの琴線に触れまくる「懐かしい」音であることは間違いありません。で、実際のライブの音ですが、きっちりとまとまったアルバムのイメージを裏切るように、張凱翔のギターは後半に進むつれて激しさを増していき、爆音ぶりもまた相当なものでした。後半に出演したHUSHと較べると、ちょっと音のバランスが悪かったかナ、という印象は残りましたが、素晴らしい演奏だったと思います。新曲もいくつか披露して、さらには今年の秋にはニュー・アルバムがリリースされるとのこと。そのときはまた日本でもライブを演るかも、いや、やりたいッ! みたいなことを張凱婷嬢が言っていたのでこれは期待できるカモしれません。

続いて登場したのがHUSHで、これはこれは、思わぬメッケモンでした。自分は今回、大象體操だけ聴ければそれで大満足、あとはどうでも、……なんて考えていたのですが、冒頭の一曲の、すっきりとした伸びやかな彼のボーカルには完全にノックアウト。上にもちょっとだけ書きましたが、HUSHのライブのときには音のバランスがとても良くなっていたような気がします。会場ではアルバムを売っていたはずなのですが、買わなかったことをチと後悔したくらい。どの曲も耳に残る旋律ばかりで、なかでも特に良いなと感じたのは最初の一曲(だったはず)の「機會與命運 Monopoly」と、「我想知道你的一切 King of Doubt」。

「都会の吟遊詩人」で、「中華圏のスーパーバンド五月天(Mayday)も大絶賛のニューカマー」とのことですが、Youtubeで聴いた印象ではロックよりはポップス寄りの味付けですが、ステージでの演奏がとにかく素晴らしかったです。特にギター。クリアーでありながらたまらなく熱っぽいボーカル、そしてときに泥臭い歌謡っぽく流れる旋律はちょっとMUSEを彷彿とさせるというか……。そして落ち着いた雰囲気の曲はTravisとかのブリット・ポップっぽくもあります。ちょっとキ印入ったHUSHの目線や振る舞いなども「吟遊詩人」らしくてインパクト大(爆)。これはちょっと、個人的には要注目のアーティストでしょうか。

で、最後の滅火器 Fire EX.なんですが、……足腰が限界に来ていたので一曲だけ聴いてあえなく退散しました(苦笑)。ライブ会場を出て一息ついたあと二階を覗いてみたら、片付けを終えて閑散とした空間の真ん中あたりに、DISK UNIONの売り子の人が机を並べてCDを売っていたのですが、しばらく体を休めようと近くのソファでボーッとしていたら、なんとなんと、左袖から大象體操のベースの張凱婷嬢がやってきてその売り子さんと話をしているではないですかッ! これはもうお近づきになるしかないッ、――で、ふらふらと売り子のお姉さんに、最近リリースされた日本版の『角度』を一枚差し出し、購入した次第。張凱婷嬢には「10枚買って、10枚買って」「Tシャツも買って」ておねだりされたのですが、さすがにそれは……(苦笑)。去り際に一枚だけ写真を撮らせてもらって大満足の一夜でありました。また来年も機会があれば是非とも参加したいと思います。

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