たしかbandcampのアーティスト還元デーのとき、ツイッターのTLにふと流れてきた一枚。はっきりとは憶えていないのですが、波多野敦子がリツイートしていたような気がします。yumboのメンバーである澁谷浩次が自身の名義で目下制作中のソロアルバムからの先行カットとのこと。yumboのアルバムもbandcampで少しだけ聞きかじってみたのですが、このアルバムとはややイメージが違っていました。収録曲である”Lots of Birds” は何よりも澁谷の哀切を交えた儚げなボーカルが素晴らしいの一言。
その声とこの作風でまず自分が思い浮かべたのは、Robert Wyatt『Rock Bottom』だったのですが、今この感想を書きながらあらためて冒頭の”Sea Song”を聴き直してみてもこの印象は変わらず。さらに本作のイメージを強烈にしているのが、写真家である志賀理江子の『ブラインドデート』から引用したと思しきジャケとPVでしょう。PVについてはとにかく見るべし、というしかないほどに音と歌詞世界との絶妙な一致を見せているところに注目でしょうか。
目下制作中のソロアルバムが何より気になって仕方がない今日この頃で、ここ数日は日常のふとしたときにこの曲の旋律が頭のなかで延々とリフレインされるという困った状態になっていて(爆)、ヘビロテなどせずともこの曲の呪縛にとらわれるとなかなか抜け出せないこと請け合いというほどの逸品。オススメです。