先週の水曜日、十二月十八日にお台場の東京カルチャーカルチャーで開催された「『12星座殺人事件』出版記念イベント～ミステリーと占星術の夕べ」に行ってきたので、取り急ぎ簡単にまとめておきたいと思います。進行は、『12星座殺人事件』出版記念イベントとある通りに、第一部では、作者である光藤ひかり嬢と水谷奏音嬢の二人に加えて、御大が本格ミステリと占星術にまつわる話をし、休憩を入れて始まった第二部では、特別ゲストの小島正樹氏と青柳碧人氏もくわわって、占星術ランキングをネタにしたトークを披露するというものでした。
一応、開催前に「写真撮っていいの？」と尋ねたところ、「撮り放題」との答えを主催者からいただいたので、この夜はNEX-7にMetabonesのSPEED BOOSTERをつけて撮りまくってきました(爆)。この会場でのイベントは、今年の三月に開催された「『ぼくらの近代建築デラックス！』出版記念イベント ぼくらの近代建築デラックス・ナイト！@東京カルチャーカルチャー」に続いて二度目。会場の照明の暗さについては十二分に判っていたので、実をいうと、前日までは『α7で高感度耐性の素晴らしさを見せつける写真を撮りまくってやるッ！』と意気込んでいたのですが、小心者ゆえ、イベント会場であの「パッシャーン！」というシャッター音の大きさはマズかろうということで、泣く泣くNEX-7を持っていったのはナイショです。なお、会場の様子はFlickrにあげてありますので、イベントの雰囲気がどんなものだったか見てみたいという方はどうぞ。
撮影のほか、録音も可とのことだったので、一応レコーダーにトークの内容は録っておいたので、来年になって時間があるときにでも「蔵出し」ということで、テープ起こししたものを公開したいと思います。
上にも述べたとおり、第一部は本格ミステリと占星術を交えた内容だったのですが、御大の話は、ポーを始祖とした本格ミステリの歴史を繙いていくというファンにはお馴染みの講義から、水谷嬢が双子座ということで、同じ双子座生まれのドイルをとりあげ、「まだらの紐」がいかにヘンテコな与太話であるかというあらぬ方向へと進んでいきました。
この「まだらの紐」の話は、今年の九月に台湾の誠品書店信義店で開催された講演会で語られていたものですが､自分が知る限りおそらく日本では初。初､――といえば、本格ミステリも交えて占星術の話を御大がここまで語ってみせたのもそうで、本格ミステリ作家の資質がある星座はどれか、など、なかかな面白い話を聴くことができました。
休憩をはさんでの後半第二部は、小島・青柳両氏をまじえてのかなりくだけたトークで、写真にあるとおり、来年どんな星が「ヤバい」か、そのランキングをスクリーンに映し出して、水谷嬢が解説をくわえていくというもの。こういうランキングではラッキーなものを一位から順に並べるというのが定石のはずながら、今回が逆に「ヤバい」ものであるのは、偏に『12星座殺人事件』で描かれる事件性と登場人物たちのキャラのアレっぷりをトレースしたからで、一応、いくつかのランキングを掲げながら、十二星座が一通りそのいずれかに該当してしまうというかなり極悪な(爆)内容でした。
この第二部で感心したのが、青柳氏の司会進行を絶妙にサポートしたトークのうまさと､小島氏のさりげないツッコミの数々で、最後には御大と両氏の来年の仕事の予定が語られて幕となりました。ちなみに我らが小島氏は来年も何冊か新作を手がけることが決まってい、この中で個人的に興味があるのはハードボイルドもののの一冊でしょうか。御大の予定も語られたのですが、こちらは小説よりは、『幻肢』をはじめとする映像方面での話が中心でした。「くれぐれも内密に」と言っていたので、この映像関係の仕事の詳細は、会場にいた人たちだけの秘密ということになりますが、これまた期待させる内容でした。
というわけで、レボートはこれにて終了。また忘れたころに「蔵出し」ということで、テープ起こしをする予定なので、気長に待っていていだたければと。