NEX用のキワモノアダプター、METABONES「SPEED BOOSTER」(Y/C)で、アダプタあり/なしの解像感をE18-55mm F3.5-5.6 OSS SEL1855と比較する

前回の続きです。無限遠が出たところで、このキワモノアダプターの実力を少しばかりテストをしてみたいと思います。やはり興味あるところは画像の劣化ですが、なかにはシャープネスが向上するという感想もあったりして、そのあたりはいったいどうなのヨ、というところを見てみたいなと。

とりあえず画像の比較としては、最新のEマウントの代表として今回はNEX-7についてくるSEL1855のものを基準に、銀塩で使っていた大昔のレンズがどれほどのものなのかというところを見ていくことにします。いくらオールドレンズといっても、標準のズームレンズより画像がアレだったら完全なオモチャになってしまうわけで、それでは困ります(爆)。

RICOH GXR + GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO
RICOH GXR + GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO

まずはこんなかんじでSEL1855を37mmくらいに合わせて、絞りは開放――といってもズームなので、f4.5にしたものの画像がこちら。

NEX-7 + E18-55mm F3.5-5.6 OSS SEL1855
NEX-7 + E18-55mm F3.5-5.6 OSS SEL1855
NEX-7 + E18-55mm F3.5-5.6 OSS SEL1855
NEX-7 + E18-55mm F3.5-5.6 OSS SEL1855

無限遠にしたときの解像感とシャープネスを見るのが今回の目的ですが、まあf4.5まで絞られていることを考慮しても、こんなものでしょう。SPEED BOOSTERを装填して、CONTAX Planar 50mm f1.7をf2.8まで絞った画像は前回に掲げてあるのでそちらを見てもらうとして、……今回はSEL1855との比較なので、f4まで絞ってみたのがこれ。ちなみに前回のf2.8とは撮影日が異なるので、ホワイトバランスと露出にバラつきがありますが、そのへんはご容赦――。

NEX-7 + SPEED BOOSTER(Y/C) + CONTAX Planar 50mm F1.7
NEX-7 + SPEED BOOSTER(Y/C) + CONTAX Planar 50mm F1.7
NEX-7 + SPEED BOOSTER(Y/C) + CONTAX Planar 50mm F1.7
NEX-7 + SPEED BOOSTER(Y/C) + CONTAX Planar 50mm F1.7

実はf2.8とそれほどシャープネスも解像感も変わらないような気がします。正直、f2.8でも解像、シャープネスともに十二分ではないでしょうか。昔のレンズゆえ確かに開放のf1.7ではふわふわなんですが、f2.8以降は絞れば絞るほどシャープになるとか、そういうレンズではないということなのかもしれません。フィルムで撮っていたころには、小さなプリントで愉しむだけだったので、そこまでジーッと見て差異を確認するようなことはしていなかったのでアレなんですが。

RICOH GXR + GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO
RICOH GXR + GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO

では次に、同じレンズでSPEED BOOSTERのある/なしの比較になります。とはいえ、画角が変わるので、厳密な比較ではありません。以前に述べた通り、このCONTAX Planar 50mm f1.7はもともと無限遠が出ないので、NEX-7にマウントするときには、写真のようにKIPONのC/Y-R/MアダプターとKernelのL/M-NEXアダプターを重ねて使っています。とりあえずそのまま切り出したものがこちら。ちなみに今までの画像はすべて12M、JPEG撮って出しです(自分はrawでは撮影しないので)。

まずはf2.8の画像がこちら。

NEX-7 + CONTAX Planar 50mm F1.7
NEX-7 + CONTAX Planar 50mm F1.7
NEX-7 + CONTAX Planar 50mm F1.7
NEX-7 + CONTAX Planar 50mm F1.7

次に上と同様、f4まで絞ったのがこちら。

NEX-7 + CONTAX Planar 50mm F1.7
NEX-7 + CONTAX Planar 50mm F1.7

NEX-7 + CONTAX Planar 50mm F1.7
NEX-7 + CONTAX Planar 50mm F1.7

ここでも絞ったからどうこうという違いはあまり感じられません。またSPEED BOOSTERを装填したからといって、格別画が濁るというようなこともないような気がします。噂にも挙がっているシャープネスの向上はどうでしょうか。これだけではあまり変わらないような、……といった先からアレなんですが、こうした遠景撮影では大きな差異は感じられないものの、近景ではLightroom上で見る限り向上が見られました。このあたりの検証も近日中に比較画像としてあげてみたいと思いますが、ひとまず今日はこのくらいで。というわけで、以下次号