是不是少了什麼 / 甜梅號

是不是少了什麼 / 甜梅號昨日、解散を告知した甜梅號が2001年にリリースしたファーストアルバム。2014年には微光群島とバンド名を改めてリリースした「雲開了之後」と聴き較べてまず驚いたのはその音の荒さで、ポストロックといいながら、冒頭、遠くから近づいてくるギターの轟音のアシッドぶりなどは七〇年代のジャーマンロックを彷彿とさせます(Guru Guruあたり)、――と書いてしまうロートルのプログレ耳には2001年の作品ながら、かなり”懐かしい”感じがします。

実は甜梅號を知ったのはつい最近のことで、以前に取り上げたTriple Deerのアルバムのプロデュースが甜梅號の昆蟲白 insecteensという人物らしいというのをこの記事で読んだことがきっかけでした。台湾のポストロックというと、SELFKILLを少少聴いたくらいの自分にとって、甜梅號はベテラン中のベテラン。それでいながらやはり先駆者としての音となる本ファーストアルバムには若々しさが漲っているように感じられます。「橫臥的麥當勞」のシンプルなドラムと装飾の少ないギターのアルペジオから構成される音や、不穏めく低音をベースにした「老搖滾」から一転して、メロウなギターが印象的な「惡夢便當」、「一個人的水道」など、音は空間の拡がりよりも、ガレージっぽい音の響きを重視した音づくりになっています。「體育」、「螢火蟲小夜曲」など佳曲ばかりなのですが、そのギターの音色のシンプルさと、ドラムの単調さからか、どの曲も同じトーンに聞こえてしまうのがちょっと物足りないというか――。

ただ、黎明期のロックというのは、日本の七〇年代であれ、こういうものだったんじゃないのかなァ……という気持ちを思い起こさせてくれる、その荒々しさが妙に懐かしく感じられるアルバムで、2015年の今であればその古さをこそ愛でるべきのような気がします。

昆蟲白 insecteensの手になる『解散公告』を見ると、甜梅號は1998年に結成、2014年には微光群島と改名しながら活動しながらも今年の八月に解散。リストアップされている八人の歴代メンバーのうち、結成当初から在籍しているオリジナルメンバーは、ボーカル、ギター、キーボードを勤める昆蟲白 insecteensのみのようです。まずはファーストから、ということで、とりあえず今回はこの『是不是少了什麼』を聴いてみたのですが、他の作品も手に取ってみようと思います。