Mediumの島田荘司推理小説賞パブリケーションに賞関連の情報を書いても、まったくページビュー数が伸びないので、こちらにもあげておくことにします。
島田荘司推理小説賞を主催する金車文藝中心の季刊誌『藝文風』の16号に、入選した三作の書影が掲載されていたので紹介しておきます。授賞式に合わせて御大の新刊が皇冠文化から刊行されるのはいつものお約束で、今回は『御手洗潔の追憶』と『傘を折る女』の二冊が皇冠から刊行予定となっています。そして入選作三冊のデザインですが、この御大の二冊に通じるものがあります。おそらくは同じデザイナーの手になるものではないかと。個人的には前回の『黄』をはじめとするイメージの方が好みなのですが、ちょっと原点回帰というかレトロというか、そんな雰囲気を感じさせる装幀となっています。
なお『藝文風』には、入選した三冊の作者の簡単な紹介も添えられていたので、ざっと眼を通してみたのですが、まず『巴別塔之夢』の作者である青稞(中国)は、南方科技大学在学中、本格ミステリにハマり、東野圭吾と島田荘司の大ファンとなって以来、素晴らしいトリックを構想すること幾年月。短編「推理作家的逆襲」が第三回「華文推理大奨賽」に入選し、「浮島幻想」が「2016年偵探推理小説選」に収録された他、『推理世界』や『超好看』といった雑誌にも作品が掲載された経験あり、とのこと。ちなみに作者は男性で、『藝文風』には生年月日などのデータはなし。
続く『歐幾里得空間的殺人魔』の作者である黒貓Cは、八十年代生まれの香港人。北欧を旅行した際に日蝕を見たことから本作の着想を得た様子。2015年に香港の掲示板で連載した武侠小説『從等級1到武林盟主』シリーズが好評を博し、出版に至る。これをきっかけに、初めて書いた本格ミステリが本作とのこと。なお作者は男性で、『藝文風』に掲載されている写真は、台湾のミステリ評論家である冬陽氏にクリソツ(爆)。一瞬、冬陽かと吃驚してしまったのはナイショです。
『誰是兇手』の作者である弋蘭は、台湾は新北市在住の女性。新聞から小説の着想を得ることが多いとのこと。時間のあるときには、読書に散歩に映画鑑賞を愉しむ。「法律與淑女」が第十四屆台灣推理作家協會奨に入選。
なお三冊の刊行は9月11日。実本を手に取ることができるのは、今月後半、渡台した後になりますが、それぞれの感想についてはまた後日、このブログにあげていく予定です。乞うご期待。
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