台湾ロケの写真集と言うことで購入。『君の膵臓をたべたい』は観ていないし、彼女のファースト写真集たる『瞬間』にいたってはその存在さえ知らなかったという自分ですが、本作は台湾ならではの景色もふんだんに織り込みつつ、彼女の魅力を際だたせた素晴らしい一冊だと感じました。
今さらここで繰り返すまでもないことですが、「好きな芸能人は誰?」という質問には、すかさず「川口春奈だよッ!」と答え、さらに「他には誰か?」と訊かれれば、「台湾の郭雪芙と逢沢りなッ!」とこれまたお決まりの回答を用意している自分ではありますが、いまだかつてこういう質問をリアルで受けたことはありません。
そんな自分が最近とみに気になっている女優といえば、安田早紀に吉岡里帆、それに唐田えりかの三人で、「やたらと眼がデカくて、笑うと口がデカくなる」系の極北をいく上記三人の”濃さ”にちょっと食傷気味の昨今、こじんまりとした顔立ちの女性が気になっている自分としては、本写真集の主人公、浜辺美波はかなり魅力的。
本作は表紙の美しさだけでも十分に”買い”で、このシーンのカットは全部で十三枚。表紙に使われている写真も含めた二枚がサムネイルのような小ささで組まれているのが残念至極ではあるものの、やや俯いた感じの面立ちを右斜め後ろから撮ったショットの清楚な口許や、曇天に舞うランタンのスナップとともに左右に並べられた横顔の美しさなど、台湾の情景を抜きにしても彼女の美しさを際だたせた写真の数々は素晴らしいの一言。
十分瀑布と思しき観光地や、「進級できますように」という願いを添えたランタンとともにはにかんだ笑顔を見せる彼女の姿など、十分でのシーンにはリラックスした雰囲気が感じられるところも二重丸。ここからはややハイキーに振った細居氏らしいたおやかなショットが続くのですが、その合間にところどころ挿入されたローキーな写真もとてもイイ。台湾独特の湿度を伝える彼女の髪艶や肌の質感など、むしろ台湾の中の彼女を感じさせるのはこうしたポートレートの方かもしれません。
夜市を散策し、店の中でマンゴーかき氷を頬張る、――アイドル・女優の写真集であれば定番中の定番ショットも、ボカした背景を残しつつ標準っぽい画角でまとめたところは、台湾ロケの雰囲気に浸りたい自分にとっては好感度大。部屋着っぽい姿でベッドに座りペディキュアを塗る、――といったプライベートっぽい写真もあるものの、全体的には終始カメラ視線を意識した内容でデート気分を味わえる作風は、保守的といえば保守的ではありますが、最近はやたらとアバンギャルドに走ってアイドルの写真集であることをすっかり失念してしまった”お洒落”写真集が溢れるなか、アイドル写真集はこうあるべき、ということをシッカリと示した本作、浜辺美波のファンのみならず、安心の細居印の一冊ゆえ、女優の美しさ、愛くるしさを堪能したいという方であればまず安心して愉しめるのではないでしょうか。もちろん台湾ファンにもオススメ、であります。
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