佐藤美希1st写真集 / 撮影: 藤本和典

少し前に購入した「デジタル週プレ写真集」の一冊『会うたびに、会うたびに、好きになる。』がかなり良かったので、こちらも買ってみました。もっとも週プレ写真集の方のカメランは、傑作の多い細居幸次郎で、こちらは藤本和典。藤本氏の名前で検索してみたところ、氏の写真集は一冊も見ていないのでチと不安だったのですが、アマゾンでは思いのほか評価の高い本作、結論からいってしまえば買って損はないと胸を張って言える一冊でありました。

……とここまで書いて、被写体である佐藤美希についてほとんど言及していないことに気がつきました(爆)。どちらかというとサッカー界隈では有名なひとのようですが、数日前にテレビ東京『柔道グランドスラム2018』の特番だったかに出演していたような、――ということで調べてみたら、中学時代には柔道をやっていたとのこと。自分の中ではなんとなーくまだイケメン風に化けてしまう前の水野裕子と被るのですが、本作の出来もまた水野裕子の傑作写真集『Yuko Mizuno〔zi sip〕』を彷彿とさせる仕上がりで、水着は当たり前、下着もあって当然といった構成で愉しませてくれます。

パラパラっとめくってみるだけでも、マトモに服を着ているショットは前半のワンピースと部屋着が数枚くらいで、あとはただひたすら下着・水着のオンパレード。表紙を開くと、いきなり濃いパープルっぽい透け下着の尻に肩紐を垂らしたキャミソールというショットがあり、そのあとも黒下着のチラ見せショットをプロローグ風に配した構成が続くあたりから、期待はいやが上にも高まります。そのあと軽くチェックのワンピースで屋外の撮影を見せたあとは、下着風のショートパンツ、――というか下着じゃねえの、これ?というくらいにマイクロミニすぎる白パンツから美しいおみ足の後ろ姿を披露したかと思えば、モカブラウンのビキニでは敢えて顔を隠してシッカリと美しい肢体を前後から晒した二枚を並べた構成も秀逸です。

カメラマンの藤本氏も「この娘の魅力は尻にありッ!」と撮影している最中に悟ったのか、存外に筋肉質でありながらほどよくボリュームののったヒップを大胆にあしらった後ろ姿のショットが思いのほか多いような気がします。砂浜での寝姿を撮った一枚はアンダー気味に、そしてブルーのビキニでこちらを見つめる見開きのショットではややハイキーに、その一方、同じビキニでも窓からの淡い光を使った写真はローキーにと、とにかくメリハリをつけた見せ方と構成が素晴らしい。胸の谷間を大胆に覗かせた下着姿では、艶やかな肌の質感もシッカリと再現できているし、それぞれの衣装で抜かりなく美しいヒップを強調した一枚をしっかりとあしらっているところも抜かりはありません。

いたずらに芸術フウへ流れることなく、肌の質感や豊かなヒップの形を美しくとらえた陰影の再現など、アイドル写真の王道をいく作風でアイドル写真マニアの心をガッツリととらえる一冊へと仕上がっているような気がします。確かにアマゾンのレビューに偽りなしの逸品で、最近やたらと目につくアンダーにふりまくって芸術っぽく仕上げてみましたッ!みたいなマギーの最新写真集『new Moon』みたいなことなく、また見開きで顔がガッツリ両ページに割れているようなマギーの最新写真集『new Moon』のごとき構成の瑕疵もないことはもちろん、多くのアイドル写真集マニアが求める“実用度”も相当に高く、彼女のファンならずとも手に入れる価値がある一冊だと思います。オススメでしょう。

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