XHARKIE JAPAN TOUR2019@町田CLASSIX

3月1日に隣町のライブハウス町田CLASSIXで行われたXHARKIE JAPAN TOUR2019を見に行ってきました。感想は……ただひとこと、「疲れた……」に尽きるのですが、やはりパンクとかの轟音爆音系は自分のようなロートルにはかなり辛かったというのが正直なところ。ともあれ、それでも対バンの演奏でなかなか愉しめたものもあってかなり満足な一夜でありました。

この夜の対バンは、地元町田のバンド、是が非でも、にFrisBeeDog、GREED FIVE EGG’S、The Foobarsという布陣でした。是が非でもがはじまったときはまだ観客も少なく、――というか、XHARKIEがラジオでも語っていたとおり、今回のライブツアーは音楽関係者へのお披露目的なものだったとのことで、もしかすると“関係者”じゃない客って自分だけだったカモ、なんて気もするのですがそこはそれ(爆)。新宿や渋谷、吉祥寺や高円寺じゃない、東京の西は神奈川のすぐ隣の町田まで遠征してくれただけでも感謝感謝であります。

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是が非でも、のパフォーマンスはちょっと固かったかな、という印象。何しろ轟音爆音なので、ロートルの耳にはなかなかに辛く、めいっぱいその雰囲気のですがを愉しむことができなかったのですが、帰宅してから彼らのEP『愛別離苦』を手に取ってみたらこれがなかなか悪くない。もう少し小さい音で聴いた方が轟音のなかに仄見える彼らの曲の切なさがわかるような気がしたのは自分だけでしょうか。特に『愛別離苦』に収録されている二曲目の「yuen」はなかなかのもので一聴の価値アリ。一応、是が非でも、の演奏は最後の曲だけ動画を撮っておきました。G9 Pro+LUMIX G X VARIO 35-100mm/F2.8を手持ちで。

続いて登場したのがFrisBeeDogで、その音楽は“メロディックハードスカコアバンド”とのこと。正直スカでコアでそれがハードでメロディックというのが、ロートルのプログレマニア的には「??」なのですが、この夜の出演バンドの中では一番個性的な音のように感じました。

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疾走感のなかにもユーモアと軽さがあり、自分のような轟音爆音が苦手な人でも没問題な気持ちよさのあるパフォーマンスで満足至極。一応、メドレー風に演奏された後半部分は動画を撮っていたのでアップしてあります。こちらはGX7MK3+LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPHの手持ち。ちなみに動画の向かって左手にノリノリで写っている女性がXHARKIE本人です。

3番手のGREED FIVE EGG’Sは、3ピースのガールズバンドで、ベースの女性がファニーボイスで歌うボーカルにキレッキレのドラムとハードなギターを重ねた曲風。これもこの夜の対バンではFrisBeeDogと並ぶお気に入りとなりました。ちなみにこのGREED FIVE EGG’S。来週台湾から来日するGo Go Riseと3/15(金)の新宿SCIENCEで共演します。

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4番手のTheFoobars は準備しているときのドラムの音が超弩級で、またまたとんでもない轟音爆音かと思って身構えていたのですが、重量級のドラムに重ねて疾走感のあるギターと、この音にして繊細ささえ感じられるボーカルの声が印象的なパフォーマンスでした。で、これを書きながらつい先ほどTheFoobars の公式サイトを覗いてみたのですが、ボーカルKEITA氏の変貌ぶり(?)にチと吃驚。イメチェンしたのか、それともあの夜のステージだけがああいう感じでキメていたのか。

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そしてトリを務めたXHARKIEですが、さまざまな意味で“面白い”パフォーマンスでした。自分は壁際に据えられた止まり木のような椅子に腰かけて、ステージに現れた彼女を観ていたのですが、開始早々、彼女は後ろの方に固まっていた観客をもっともっと前に来いッ!とさかんにアジテート。そして怒濤の演奏が始まりました。

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町田CLASSIXのツイッターでは“爆女”なんていわれていた彼女ですが、パワフルな演奏と爆音は蓋し“爆女”にふさわしいパワフルさ。とはいえ、彼女の魅力はそうした演奏だけでは決してなく、曲の合間に観客をも巻き込んで皆を愉しませようとするMCにも注目でしょう。ちなみに彼女、チャンと日本語ができて、今回のMCでも最初から最後まで日本語で観客とコミュニケーションをとってました。例えばおもむろにSUICAを取りだして何をするのかと思いきや、ピックのかわりにこれを使ってギターを弾いてみせるという。まあ、やっていることは下手をすればイロモノに堕ちてしまうわけですが、ここでもシッカリと爆音の演奏を決めてしまうのが彼女のパフォーマーとしての素晴らしさ。

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このほかにもある曲を演奏する前に、「みんなは昭和? 平成?」と質問をして、そのあと自分のような昭和生まれのロートルであれば絶対に知っているであろう、あの昭和歌謡の名曲をパンキッシュにアレンジして歌ってみせるという荒技を披露。しかし彼女が観客に対して「昭和? 平成?」と尋ねた質問に対して、観客から「今は平成だよ」という答えが返ってきたのはチと吃驚。「みんな昭和? 平成?」と聞けば、当然その意味するところは「昭和”生まれ”? 平成”生まれ”?」だと思うのですが、今は平成31年。観客のほとんどが平成生まれという状況ではこういう質問さえ成り立たないのか、とロートルの自分は愕然とした次第です。

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ラジオ番組では「お笑いを目指す」なんて半分冗談とも本気ともつかない発言をしていた彼女ですが、この夜のパフォーマンスを見た限り、その素養は十分にアリ、と感じました(爆)。また台湾ではパンクという音楽にそれほどの需要がない、みたいなことも話していたのですが、実際のところどうなんでしょう。近々来日するGo Go Riseも“一応”パンクという文脈で語られることが多いようですし、正直、ジャンルがサブジャンルからさらなるサブサブジャンルへと細分化して混沌としている現在、果たして自分の音楽をパンクという鋳型に嵌めてプロモーションをはかることにそれほど意味があるのかどうか――。もちろんそれが現在進行形で一つのムーブメントとして成立しているのであれば、“敢えて“その波に乗ってみるというのも十分にアリだとは思うのですが……。

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ともあれ、XHARKIEはこのあともしばらく日本に滞在してレコーディングを行うとのことですから、アルバムがリリースされた暁にはまたこのブログで取り上げるカモしれません。いったい“暴女”の台湾パンクがどんな仕上がりを見せるのか、持して待ちたいと思います。

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