前回の続きです。今回は授賞式の翌日に行われた講演会についてレポートする予定でしたが、夕食会の写真をあげていなかったのでまずはこちらを先に。
授賞式のあと、御大は控え室で記者会見などがあったので、しばらく会場をうろうろして、寵物先生、冷言、冬陽、陳浩基氏など台湾推理作家協会の面々と立ち話をすることしばし、そのあと皆で夕食会が催される逸仙楼へと皆で歩いて向かいました。
島田荘司推理小説賞授賞式の後の夕食会といえば、島田島崎両御大のハグ写真を掲載するのが本ブログのお約束ではあったのですが、今回はちょっと部屋が狭かったのでそれはなし。島崎御大はお元気そうで、今回も例によって円卓をまわり酒をグイグイとついでは潰しにかかるという島崎流を披露(爆)。この飲ませ技に御大曰く「K談社のO太君は三十分ともたなかったよ」と呵々大笑されてましたが、まあ、台湾ビールというのがせめてもの救いで、これがアルコール度のもっと高いブツだったらこちらも危ないところでありました。
円卓では今回の受賞者である文善、『見鬼的愛情』の作者である雷鈞、陳浩基の三氏が広東語組ということで並んで座り歓談していました。あとで陳浩基氏から聞いたところによると、『我是漫畫大王』の胡杰氏とは本格ミステリに関してかなり突っ込んだ話をされたとのことで曰く、胡杰氏はかなり頭のキレるひとであるとのこと。授賞式でも、今度は21世紀本格でいくと宣言されていたことですし、これは次作もかなり期待できそうです。
実際『我是漫畫大王』は、大衆小説めいた情景描写と人物の振る舞いの中に巧妙緻密にして人工的な仕掛けを凝らした作品で、一読してそのさりげなさとたくらみに作者は相当頭のキレる人じゃないかと自分も感じたのですが、氏の職業を聞いて納得、であります。
旦那さんと夕食会に参加していた文善氏からは『逆向誘拐』の感想を訊かれたのですが、これを詳しく述べるにはどうしても連城三紀彦の某作に触れる必要があり、「うーん、この作品のネタバレしていいですか?」と円卓を囲む皆に尋ねたところ、この作品の解説を書いた島崎御大から「ダメッ!」と一喝されたので、ここでは多くを語ることができませんでした(爆)。それとミステリとは全然関係ない話ではありますが、文善氏の愛機は武士フィルムのX100。「料理がとても綺麗に撮れるので気に入っている」とのこと。
夕食会の様子はこれくらいにして、次回は金車文藝中心と誠品書店で行われた二つの講演会についてレポートしたいと思います。というわけで、乞うご期待。