昨晩は、吉祥寺のSTAR PINE‘S CAFEに『Lululuニューアルバム誕生祝いだよツアー〜東京フルバンド編〜』を聴きに行ってきました。昨年後半はずっと愛犬の介護に忙しく、夜に出かけることができなかったためライブハウスに足を運ぶのは久しぶり。
そもそもこのバンドを知ったのは、昨年の春にお馴染み青山月見ル君想フで行われた王榆鈞の来日ライブ「音を編む」に対バンとして出演していたことがきっかけで、このときに確か2ndアルバム製作のためクラウドファンディングを始めると発表があり、これは面白そうだナと参加してみました。
無事クラウドファンディングも目標額を達成し、アルバムが送られてきたのが昨年の秋だったでしょうか。そのなかには自分が以前のライブで演奏されたのを耳にして気に入った「カラス」が収録されてい、そのあと冬に入ってからアルバムリリースのライブツアーがのスケジュールが発表。その第一弾は12月にうちからもほど近い青葉台のレストランで鍋ライブというものだったのですが、どうも内輪向けっぽかったのでこちらはスルーし、今回の吉祥寺での東京フルバンド編を見に行くことにした次第。
この夜の演奏の方はフルバンドということもあって、ギターとボーカルの平岡千代、ベースとボーカルの玉木正太郎、フィドルとボーカルの森島玲のメンバー三人のほか、ドラムとギター、キーボードをくわえた六人編制という堂々たるもの。三人編制だった「音を編む」のときのシンプルな構成から奏でられるライブももちろん素晴らしいものでしたが、やはりドラムやキーボードが加わることで音に厚みが増したことが大きな違いでありまして、アルバムにも収録されていた「DREAM TRAIN」などではとくにその変化が如実に感じられました。
このバンドは「カントリーポップユニット」とされているのですが、カントリーは自分の音楽遍歴においてはじっくり聴いたことのないジャンルゆえ、あまり馴染みがありません。自分が聴いてきた音楽の中で一番近いかな、――と思うのは、上野洋子在籍時代のザバダックあたりかなと思うのですが、Lululuの音楽の中でカントリーの風格を強く感じさせる要素はやはり森島玲のフィドルということになるでしょうか。
「音を編む」でこのバンドの演奏を目の当たりにしたときにも感じたのが、フィドルを演奏しながら唄う森島の無類の格好良さで、ときにはフィドルの弓を軽快に廻しながら平岡とハーモニーを奏でる彼女の美しさに見とれることしばし。
また今回は玉木のベースもドラムに合わせてジャジーなスウィングを披露してみたりと、ドラム、ギター、キーボードという助っ人を加えて音の厚みがいや増したこのバンドの多彩な魅力がふんだんに感じられるライブだったとように思います。
とはいえこのバンドの一番の魅力はカントリーやポップスといった音楽ジャンルから想起される曲風というよりは、三人の奏でる精妙にして絶妙なコーラスにあると思ってます。メインボーカルを務めるのはギターの平岡千代。しかしながら、たとえばニューアルバム収録曲の中では名曲と確信している「カラス」ではベースの玉木がメインを張り、そこに平岡と森島の清らかな声が重なっていく、――というもので、ほかにも三人のアカペラ・コーラスから始まる「Birth Place -reborn-」などで、このバンドのコーラスの魅力を十二分に堪能できるのではないかと。
なお今回のライブで知ったのですが「カラス」の作曲はベースの玉木によるものとのことで、なるほど、ちょっと他の曲とは雰囲気が違うよなあ、と納得した次第です。上にも述べたとおり、三人のハーモニーはこのバンドの最大の強みだと思うので、こういう曲をもっとモット増やしてもらえると個人的にはかなり嬉しい。
それと今回のライブMCで知った話も色々ありました。ニューアルバム制作前に平岡・玉木の二人で行ったライブでは観客が一人もいなかったとか。まさにゼロからスタートして、こうしてニューアルバムをリリースし、今回のライブでは会場を満席にすることができた(まさに昨晩は満席でした)、――そうした逸話を話している平岡の眸が潤んでいたのを見るにつけ、ロートルの自分もちょっとジワッ……と来てしまったのはナイショです(爆)。
次のライブはいつになるかまだ不明ですが、もし東京近郊で行われるのであればまた足を運んでみたいと思います。
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