蛙 / LUPA

蛙 / LUPAファッションデザイナーであり、画家でもあるLUPAのEP。以前に派樂黛唱片からリリースされたオムニバスアルバム『哲人之石』に収録されていた「White Peacock」は4AD時代のHis Name Is Aliveっぽいなーということでかなり印象に残っていたのですが、本作の「蛙」も風格としてはそんな感じ。収録曲は原曲となる「蛙」のほか、「蛙 (Conehead Remix)」、「蛙 (Dizparity Remix)」、「蛙 (Oberka Remix)」と三人がリミックスを手がけた三曲。浮遊感溢れるボーカルのほか、今回は多彩なリズムがなかなかに面白く、「White Peacock」よりいい感じに仕上がっています。

LUPAのプロフィールですが、1989年、ロス生まれ(ということはABC?)。イギリスはロンドン・セントラル・セント・マーチンズのFashion Design Womenswear を2012年に卒業後、インターンとしてアレキサンダー・マックイーンなどの仕事にも携わり、絵画にも関心を持ち始めた、――とありますから、キャリアの原点はやはりファッションデザインなのでしょう。また、音楽に取り組むようになったのもやはりこのイギリス留学時代からで、まずはギターやウクレレを手に作詞や作曲を始め、台湾に来てから電子音楽を手がけるようになったとのこと。

また本プロジェクト『蛙』では、台湾のミステリー映画の傑作『共犯』に出演していたpipiちゃんこと姚愛寗(ヤオ・アイニン)が出演したMVにも注目でしょうか。最初にこのビデオのショート・バージョンを眼にしたのが、派樂黛唱片のfacebookページだったのですが、そのときにはpipiちゃんのことにはマッタク触れておらず、「うーん、似ているなぁ……」と感じてはいたものの、詳細が不明だったのでこのエントリを挙げるのを躊躇っていたのですが、pipiちゃん本人もfacebookで本MVをシェアしたことからようやく裏が取れたという次第です。ちなみにこのMVの中で、大きな黒縁丸眼鏡をかけた姿で出演しているのがLUPA本人。確かに典型的なオタク女子という出で立ちですが、ご尊顔は彼女のインスタグラムでも見ることができます。

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派樂黛F1-哲人之石
「映活vol.3<映画『共犯』上映&トーク>」@台北駐日経済文化代表処・台湾文化センター