SIGMA MOUNT CONVERTER MC-11を買いました(SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSMの使い心地)

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17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSMに続いて、もう一本、MC-11を介してα6300で使用しているSIGMAのレンズ、IGMA 18-35mm F1.8 DC HSMの紹介をしてみたいと思います。

一泊旅行に持ち出すのであれば、小型軽量(といっても400g以上ありますが)の17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSMの方が良いかと思うのですが、今のところ、被写体があらかじめはっきりしているのであれば、やはり重くてもSIGMA 18-35mm F1.8 DC HSMを持ち出すことが多いでしょうか。で、MC-11を介してSONY α6300でこのレンズを使った感想ですが、素晴らしいの一言に尽きます。このレンズはPHOTO YODOBASHIのこのレビューを見たときから、「いつかは使ってみたいなァ……でも自分はEマウントユーザだし」と諦めていたのです。それがまさかMC-11というSIGMAからリリースされた公式の”飛び道具”で、このレンズを使うことができるようになるとは思ってもいませんでした。

このレンズ、確かに重量があり、α6300では完全にフロントヘヴィーですが、両手で構えるとなかなか”しっくり”くるから不思議です。17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSMとの比較でいえば、やはりMFが遙かに楽ということがその特色としてまず挙げられるでしょうか。17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSMはスイッチをMFにして、ようやくフォーカスリングが動くようになるのですが、とにかくこのリング、トルクがまったくないといってもいい代物で、MFが快適かと訊かれれば「うーん……」と答えるしかありません。その点、この18-35mmには適度なトルクがあってMFも快適です。もっとも自分が常用しているCONTAXのMFレンズのような重厚な感触には適う筈はないものの、それでもSEL55F18と同様、AFレンズとはいえしっかりとMFできるところはマルでしょう(ちなみに以下に掲載した台湾のバンド・楊鐘のライブはすべてMFで撮りました)。

18mmではJPEGで撮るとやや歪曲が感じられるような気がするのですが、Lightroomでも十分に修正できる範囲なので、自分としては没問題。やはり問題は質感描写やシャープネス、解像感というところになるでしょうか。またまた17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSMとの比較になりますが、17-70mmはちょっと色が浅い、というコクがないです。一方、このレンズはこってりとした描写をし、とくに金属や濡れた被写体などはなかなかいい画に仕上げてくれるところが素晴らしい。色々とこうした被写体を撮っていると、Foveonの特徴として挙げられる質感の個性というのは、センサーだけではなくこの素晴らしいSIGMAレンズの効果も少なからずあるのではないか、と思ってしまいます。SEL55F18だと、この手の艶感はもう少し違う色で出るような気が――(あくまで個人比較)。

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ボケ味は総じて悪くないのではないでしょうか。どんな絞りでも個人的には不満はありません。もっとも自分の場合、作品作りとはまったく無縁なところで写真を撮っているようなロートルゆえ、記録として十分に満足できる仕上がりであればそれでよし、という考えであるため、やや点数が甘くなっている傾向はありますが――。

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逆光性能、フレア、ゴーストについてはかなり良いのではないでしょうか。フリンジも出ません。SEL55F18は開放だと結構派手にパープルフリンジが出るのですが、このレンズにはそういうこともありません(少なくもα6300で撮っている限りでは)。

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このときのライブでは調子に乗って500枚以上撮りましたが、明確にゴーストが出ていたのは数枚だけでした。まあ、どんなレンズだってゴーストの一つや二つ、光の加減によっては出るモンだと割り切っているので、オールドレンズを常用している自分としては、この点はまったく気にしていません。なお、このレンズにはSIGMA PROTECTOR [保護用 ノーマルフィルター 超薄枠タイプ 72mm]をつけています。フィルターをつけるとゴーストも発生しやすくなると思うので、作例のゴーストについてはこの点を留意いただき参考にしていただければと。

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重量級という点を除けば、非常に素晴らしいレンズだと思います。SONYにはAPS-C用でこれに相当するスペックのものはもちろんないし、MC-11があるからこそ使えるレンズです。手ぶれ補正などはついていませんが、α6300であれば、自分の場合、ISO12800まで使ってもまったく問題ないので、ほとんどの状況でいけると思っています。手ぶれ補正対策は、SONYのカメラのアドバンテージである高感度耐性を活かしてSSをあげればいいだけですし、開放から十二分に使えるところにも注目でしょう。これ一本あれば、28mm, 35mm, 50mmがすべて揃うという点でも、単焦点のArtレンズを買うよりオトクかも、――と感じています。MC-11でSIGMAのレンズを使いたい方には第一候補にしていただきたい素晴らしい逸品といえるのではないでしょうか。超オススメです。

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