今週木曜日の夜は王榆鈞與時間樂隊 Yujun Wang & Timesを観に、青山月見ル君想フへ行ってきました。青山月見ル君想フを訪れるのは何ヶ月ぶりでしょうか(昨年後半も行きたいバンドがたくさん来日していたのですが、愛犬の看病介護のために足を運ぶことができず)。王榆鈞は昨年の春に弾き語りのソロで来日した際の演奏に圧倒された記憶も新しく、今回もかなり期待大だったのですが、とにもかくにも予想を遙かに超える圧倒的な内容に大満足。今回は前編・中編・後編と分けてその素晴らしいパフォーマンスについての感想を綴っていきたいと思います。
今回の来日公演の対バンは、原田茶飯事と黒の他人に、臼井ミトンwith田中義人でした。臼井ミトンwith田中義人は、田中のギターに、臼井がギターとピアノを取り替えながら唄いあげるというスタイルで、ブルージーなピアノと歌声がとてもいい。彼のサイトをざっと眺めてみたのですが、「独学で習得したニューオリンズ色の濃いピアノスタイルと、繊細なフィンガーピッキング・ギター、そして艶やかな歌声」がその個性とのこと。とはいえニューオリンズ色といっても、自分にとっては通過していない音楽領域ゆえ今ひとつピン、とこないのですが、何曲かを披露するなかでやはり一番印象に残ったのはちょっと懐かしい感じのするピアノ(?)の音色と伸びやかな歌声でしょうか。
と、ここでピアノ(?)と書いたのは、どうやら今回ステージに持ち込んだ楽器は、50kgになろうという重量級のクラシックな代物らしく、その内部にウッドを用いた特別な仕掛けがあるものかなり特別な逸品とのこと。もちろんアンプを通してこちらが聴くことのできる音はシッカリ電子化されているものとはいえ、七〇年代のプログレで聴くことのできるハモンドオルガンのような暖かな音色はとても心地よく、それがまた臼井の艶めかしい日本語の歌声と重なることで、ブルージーで味わいのある楽曲の魅力をさらに引き立てていきます。
そして田中義人との息の合ったギターとの掛け合いも面白く、自分の守備範囲ではないジャンルながら大変愉しむことができました。なお、臼井はこの日の朝、くだんの楽器を運ぶ際にぎっくり腰を患ってしまったとのこと(爆)。ご愁傷様というしかないのですが、そんな辛さを微塵も感じさせないような素晴らしいパフォーマンスでした。
このあとしばしの休憩をはさんでステージに登場したのが原田茶飯事と黒の他人で、原田茶飯事は昨年の春に王榆鈞がソロで来日した際、同じここ青山月見ル君想フに弾き語りのソロで出演していたことを思い出しました。激しいギターと激しい唄いっぷりに激しい動きというふうに、目の前で演じられるパフォーマンスの全てが激しかったことが強烈な印象を残してい、今回は”黒の他人“なるメンバーを率いた演奏はどんなふうになるのかと、こちらも大変期待していたのですが、これがまた昨年の弾き語り以上に激しすぎる演奏でタップリと魅せてくれました。ちょっと写真が多くなってしまったので、原田茶飯事と黒の他人についてはこの次のエントリで。続く。
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